2012.10.23 __本荘の家|岐阜市
夏を旨とすべし
このお家は天井がありません。
天井がないと言っても空が見えるわけでなく、
小屋(屋根の裏側)を見せる設計になっています。
夏の昼間は野地板の裏面の温度は60℃に達することもあります。
これは真夏の外気温が39℃を想定してもはるかに高い温度です。
通常、天井裏に断熱材をいれるのですが、
天井がないため、屋根断熱を採用し、
野地板と断熱材との間に通気層を設けました。
ここに空気が通うことで野地板の裏側の熱をやわらげ、
外気温に少しでも近づけようとする試みです。
真夏の昼間に現場で手をあててみましたが、
通気層からはやけどしそうなくらいの熱風が吹き出していて、
断熱材の裏側をさわってみてもひんやりと
冷たく感じるほどでした。
この分だと、夜間の屋根裏からの輻射熱を
抑えることができそうです。
温熱環境の問題は、ちょっとした工夫で
できることがまだまだありそうです。